中小企業共通EDI標準ver.4.3_r0公開します
2026年3月1日
1.意見公募実施の主旨・目的
これまで特定非営利活動法人ITコーディネータ協会(以下、ITC協会という)ではサプライチェーン取引プロセス全体の中小企業取引デジタル化を実現するために、中小企業共通EDI標準仕様書を策定してその実装サービスへの導入と普及を進めてきました。
適格請求書等保存方式(以下、インボイス制度という)の2023年10月施行において消費税法の法的規制や国際標準への適合などの新しい要件を付加することが必要になり2022年9月に中小企業共通EDI標準ver.4_r0を公開しました。その後、デジタル庁によるJP-PINT仕様の確定や国税庁「適格請求書等保存方式に関するQ&A」(以下、インボイスQ&Aという)の改定などがあり、標準ver.4.1_r0、標準ver.4.2_r0のバージョンアップを実施しました。
2024年8月に最新版インボイスQ&Aに記載された多様な事例を共通デジタルインボイスへ移行するために必要な留意点を取りまとめてインボイス仕様編ガイドラインを新設し、標準ver.4.3_r0としてバージョンアップを行うためのパブコメ募集を行いました。
このパブコメには多方面から多くの提案を頂きましたので、これを集約するために「デジタルインボイス仕様検討WG」を標準部会の下部組織として設置し審議を行いました。この検討期間中にも新しい環境変化が生じたのでこれらへの対応も考慮したバージョンアップ改定案を取りまとめました。この取り纏め案には大きな改定が組込まれていますので再度意見募集を行うこととし、標準ver.4.3_r0_draft_r4をパブコメ公開ベータ版として公開し、その結果を反映して標準ver.4.3_r0として公開しました。
2.中小企業共通EDI標準ver.4.3バージョンアップの要点
この度のバージョンアップ(ver.4.3)の要点は以下の通りです。
2.1. 環境変化への対応
(1)中小企業取引の書面請求書デジタル化移行停滞への対策
インボイス制度施行から2年を経過し、大手企業、中小企業ともにインボイス制度への対応は完了した状況になっています。しかし中小企業取引は書面請求書の利用が継続しており、デジタル化への移行が進んでいない状況です。その理由は受注者中小企業にとってデジタル化のメリットが見えないためであることが明らかとなってきました。
この対策にはインボイスデジタル化のユーザーメリットを感じる提案が必要です。中小企業共通EDIはこの対策としてインボイス制度の仕入明細書を活用した発注者主導の中小企業「請求レス方式」を提案することとしました。
(2)取引EDIデータの第3者利用者へのユーザー範囲拡大
税理士や金融機関は中小企業支援のために取引データを入手して利用していますが、これまで取引データをデジタルで入手する共通の手段が提供されていません。発注者が受注者に交付する「請求レス方式」検収データをEDI共通フォーマットで入手できれば、大きなメリットが得られることが明らかとなったので、これを実現するための要件を今回バージョンアップに組込み提案することとしました。
(3)データ連携基盤に関する国の動きへの対応
経済産業省は産業データ連携基盤をウラノス・エコシステムと名付け、2025年にはその実用化に向けてガイドラインを公開し、先進事例の公募を行っています。
国税庁は2023年の「税務行政のDX」に、新たに「事業者のデジタル化促進」を追加しました。2025年の税制改正では「請求書等を帳簿に⾃動連携する仕組みに対応した制度」を新設しました。
デジタル庁は「GビズID」の民間利用のための実証検証の募集を行っています。
公正取引委員会は下請法を改正し、2026年1月より「下請事業者との取引の適正化に関する法律(取適法)」を施行しました。この改正により、書面帳票交付の義務付けが改定されました。
中小企業共通EDI標準はこれらの動きに対応する環境整備のための要件組込みに着手しました。
2.2.国際標準への対応
(1)インボイス参照データモデルの提案
業界固有インボイスの業界を超えたデータ連携を実現するために、国連CEFACTサプライチェーン参照データモデル(SCRDM)基準に準拠する日本版サプライチェーン取引参照データモデル(SCRDM-JP)の提案を行いました。
まずインボイスについて、国税庁インボイスQ&Aの解説事例デジタル移行に必要となる要件を、インボイス参照データモデルとして取りまとめました。
(2)識別コード定義表の国際標準への整合
我が国業界EDI標準の識別コード定義表は業界固有の仕様で定義されており、業界を超えたデータ連携ができません。JP- PINTは国際標準コードを利用していますので、中小企業共通EDI標準も国際標準コードを利用する改定を行いました。
(3)数量の定義と運用の拡張と国際標準への整合
取引の基本情報項目である数量は、我が国業界EDI標準ごとにその定義と運用が異なっています。個数で扱う品目(定貫品目)と、重量や容量で扱う品目(不定貫品目)の運用の違いです。
これまで中小企業共通EDI標準は不定貫品目の運用は規定していなかったので、標準ver.4.3では多様な数量定義を扱えるように拡張するとともに、国際標準に整合する仕様で扱えるように改定を行いました。
上記の趣旨で「中小企業共通EDI標準ver.4.3_r0」をここに公開しました。
中小ユーザー企業様、中小企業と取引されている大手・中堅ユーザー企業様、税理士や金融機関の皆様、受発注システムのベンダー企業様、業界団体様など広くご検討を賜りたく、ご協力をお願い致します。
参考資料:中小企業共通EDI標準ver.4.3バージョンアップの要点(PDFファイル)
①仕入明細書を活用した中小企業「請求レス」方式(PDFファイル)
②サプライチェーン取引参照データモデル(SCRDM-JP)説明資料(PDFファイル)
3.中小企業共通EDI標準ver.4.3_r0の関連資料
中小企業共通EDI標準ver.4.3_r0は下記の文書で構成されています。
01_中小企業共通EDI標準仕様書本編ver.4.3_r0.pdf
01-1_中小企業共通EDIガイドブックver.4_r0.pdf
01-2_中小企業共通EDIガイドブック<付属書>メッセージ辞書解説ver.4_r0
02_中小企業共通EDI標準仕様書インボイス仕様編 ver.4.3_r0.pdf
02-1_中小企業共通EDI標準インボイス仕様編ガイドラインPart1_ver.4.3_r0.pdf
02-2_中小企業共通EDI標準インボイス仕様編ガイドライン-Part2_ver.4.3_r0.pdf
03_中小企業共通EDI標準仕様書<付表1>参照データモデルver.4.3_r0.xlsx
04_中小企業共通EDI標準仕様書<付表2>メッセージ辞書・BIE表ver4.3_r0.xlsx
05_中小企業共通EDI標準仕様書<付表3>マッピング表ver.4.3_r0.xlsx
06_中小企業共通EDI標準仕様書<付表4>識別コード定義表ver4.3_r0.xlsx
07_中小企業共通EDI標準仕様書<付属書>XML実装ガイドラインver.4.2_r0.pdf
08_中小企業共通EDI標準仕様書<付属書>PDFフォーマット仕様書ver.1_r0.pdf
09_中小企業共通EDI標準仕様書<付属書>構造化CSVフォーマット仕様書_ver.1.pdf
※公開文書のダウンロードをご希望の方は、申請フォームにて必要事項を入力してください。折り返しダウンロードサイトをメールにてお知らせします。
公開文書申請フォームはこちら→ 申請フォーム
4.本件に関するお問い合わせ
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
中小企業共通EDI事務局
担当:鈴木、野田