中小企業共通EDI標準ver.4.3_r0_draft版に関する意見公募
2024年8月1日
1.意見公募実施の主旨・目的
これまで特定非営利活動法人ITコーディネータ協会(以下、ITC協会という)ではサプライチェーン取引プロセス全体の中小企業取引デジタル化を実現するために、中小企業共通EDI標準仕様書を策定してその実装サービスへの導入と普及を進めてきました。
適格請求書等保存方式(以下、インボイス制度という)の2023年10月施行において消費税法の法的規制や国際標準への適合などの新しい要件を付加することが必要になったので2022年9月に中小企業共通EDI標準ver.4_r0を公開しました。その後、デジタル庁によるJP-PINT仕様の確定や国税庁「適格請求書等保存方式に関するQ&A」(以下、インボイスQ&Aという)の改定などの環境変化があり、標準ver.4.1_r0、標準ver.4.2_r0のバージョンアップを実施しました。
この度、最新版インボイスQ&Aに記載された多様な事例をデジタルインボイスへ移行するに必要な留意点を取りまとめてインボイス仕様編ガイドラインを新設したので標準ver.4.3_r0としてバージョンアップを行います。
わが国固有の商取引への対応も考慮すると共に、多様なデジタルインボイスとの連携を実現するための要件も考慮しましたので、バージョンアップに先立ち意見公募を実施することとしました。
インボイスプロセス以外の取引プロセスについては、インボイス制度に関係する部分の最小限の改定に留め、標準ver.4との互換性を維持する方向で改定する方針です。これにより既存の受発注業務アプリ等へ影響しないように配慮しています。
上記のような経過から中小企業共通EDIインボイス仕様については「中小企業共通EDIインボイス仕様編」と「中小企業共通EDIインボイス仕様編ガイドライン」の構成になりますので、ご意見をお願いします。
2.中小企業共通EDI標準ver.4.3バージョンアップの要点
この度のバージョンアップ(ver.4.3)の要点は以下の通りです。
2.1.書面請求書のデジタルインボイスへの移行手順のガイドライン(標準仕様書インボイス仕様編ガイドライン)を新設
(1)国税庁「適格請求書等保存方式に関するQ&A」のデジタル化手順解説
「適格請求書等保存方式に関するQ&A」(以下、「インボイスQ&A」という)において多様なインボイス取引事例に関する解説を行っています。その事例の多くは書面インボイスであり、これらの事例をデジタルインボイスへ移行するためには追加の配慮が必要になります。デジタルデータによる企業間取引情報交換に不慣れな中小企業を考慮し、「インボイスQ&A」の解説事例についてデジタルインボイスに移行する場合の留意点を、中小企業共通EDI標準を利用して解説するガイドラインを新設しました。
「インボイスQ&A」にはわが国商習慣に基づく事例も多数含まれているので、これらの我が国固有の取引慣行にも対応できるようにするための仕様を今回のバージョンアップには組み込んでいます。本件について過不足の有無に関するご意見を伺いたいと思います。
(2)インボイス参照データモデルの提案
中小企業間取引、および大手企業と中小企業間取引の決済については、これまでは書面請求書の利用が一般的でした。インボイス制度の施行後の状況は、これまでの書面請求書にインボイス制度で必須とされた情報項目を追加記載する対応が広く行われており、書面請求書の利用がこのまま継続することが予測されます。
インボイス制度の施行により、インボイス制度に対応が必要な共通の規定が明示されたので、業界を超えたデジタルインボイスの実用化の可能性が高まってきました。ただし大手業界EDIはこれまでの業界標準EDI仕様に、インボイス制度の要件を追加する改定で対応しており、相互に連携できないデジタルインボイスが併存して利用される状況になりつつあります。
一方デジタル庁はインボイス文書をデジタル化する仕様としてJP-PINTを導入しましたが、大手業界デジタルインボイスとの連携検討は始まっていません。複数の業界に閉じたデジタルインボイス・プラットフォームが孤立して併存する状況が始まりました。
これらの固有デジタルインボイスを連携するには、最初に情報項目の意味の共通化を行わなければなりません。これを実現するにはセマンテックレベルの参照データモデルが必要になります。中小企業共通EDI標準インボイス仕様編はインボイス参照データモデルとして<付表1>相互連携性情報項目表を提供しています。書面請求書や業界デジタルインボイスをこの参照データモデルへマッピングすれば、データ連携の実現性を検証することができます。本件に関するご意見をお願いいたします。
上記の趣旨で「中小企業共通EDI標準ver.4.3_draft」をここに公開し、真に利用される仕様を目指して、意見公募を執り行うことといたしました。
中小ユーザー企業様、中小企業と取引されている大手ユーザー企業様、受発注システムのベンダー企業様、業界団体様など広くご意見を賜りたく、ご協力をお願い致します。
尚、「中小企業共通EDI認証制度」においても、今回のバージョンアップに合わせて、認証要件の改定を行い、第5回の認証公募を行う予定としております。
参考資料:中小企業共通EDI標準ver.4.3バージョンアップのパブコメ募集
3.中小企業共通EDI標準ver.4.3_r0_draft意見公募の対象資料
中小企業共通EDI標準ver.4.3_r0_draftは次の文書より構成されます。
01_(パブコメ公開版)中小企業共通EDI標準仕様書本編ver.4.3_r0_draft_20240801.pdf
02_(パブコメ公開版)中小企業共通EDI標準仕様書インボイス仕様編ver.4.3_r0_draft_20240801.pdf
02_1_(パブコメ公開版)中小企業共通EDI標準仕様書インボイス仕様編ガイドラインver.4.3_r0_draft_20240801.pdf
03_(パブコメ公開版)中小企業共通EDI標準仕様書<付表1>相互連携性情報項目表ver.4.3_r0_draft_20240801.xlsx
04_(パブコメ公開版)中小企業共通EDI標準仕様書<付表2>メッセージ辞書・BIE表ver.4.3_r0_draft_20240801.xlsx
05_(パブコメ公開版)中小企業共通EDI標準仕様書<付表3>マッピング表ver.4.3_r0_draft_20240801.xlsx
06_(パブコメ公開版)中小企業共通EDI標準仕様書<付表4>識別コード定義表ver.4.3_r0_draft_20240801.xlsx
※公開文書のダウンロードをご希望の方は、申請フォームにて必要事項を入力してください。折り返しダウンロードサイトをメールにてお知らせします。
申請フォームはこちら→ 中小企業共通EDI標準ver.4.3_r0_draftダウンロード申請
4.意見のご提出方法
以下のフォームより必要事項を入力して送信してください。
意見提出はこちらから→ 意見公募は終了しました。ありがとうございました。
5.実施期間
次の日程で、意見公募の受付を実施します。
・2024年8月2日(金) ~ 2024年8月30日(金)17時
提出頂きました御意見については、氏名、所属先、及びメールアドレスを除き、すべて公開される可能性があることを、あらかじめ御承知おき下さい。ただし、御意見中に個人に関する情報であって特定の個人を識別しうる記述がある場合及び個人・法人等の財産権等を害するおそれがあると判断される場合には、公表の際に当該箇所を伏せさせていただきます。
御意見に附記された氏名、連絡先等の個人情報につきましては、適正に管理し、御意見の内容に不明な点があった場合等の連絡・確認等、本案に対する意見公募に関する業務にのみ利用させて頂きます。
6.デジタルインボイス仕様検討WGの新設とWGメンバー募集
皆様から頂いたご意見を反映して、バージョンアップ確定版の取り纏めを行うために、共通EDI標準部会の下に「デジタルインボイス仕様検討WG」を設け、メンバーを募集することにいたしました。
本件にご関心をお持ちの方のご参加をお待ちしています。
※WG参加申し込みフォームはこちら → WGの参加申し込みは終了しました。ありがとうございました。
7.本件に関するお問い合わせ
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
中小企業共通EDI事務局
担当:鈴木、野田